グリーン・デジタル・トラック・ボンドとは
近年、グリーンボンドを含むESG債が多く発行され、環境への関心はますます高まっています。JPX総研では、2020年5月の金融商品取引法の改正によりきちんとした金融商品として定義されたセキュリティ・トークンなどデジタル技術を用いてグリーンボンドの抱える課題を解決することを目指しています。
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グリーンボンド × デジタル技術
グリーン・トラッキング・ハブは、JPXがグリーン・デジタル・トラック・ボンドにて調達した資金を充当したグリーン発電設備における発電量及び当該グリーン発電にかかる対化石燃料比でのCO2削減量を、タイムリーに投資家に提供することを目的としています。 これまで投資家は、資金を投じたグリーンボンドのグリーン性指標を確認するためには、グリーンボンドの発行会社が公表する年次レポート等をひとつひとつ確認する必要がありました。そのため投資家にとってグリーン投資の効果をタイムリーに把握することは難しく、またレポート等からのデータ収集は煩雑で時間のかかる作業でした。 グリーン・トラッキング・ハブはグリーン性指標を収集する投資家を手助けします。投資家はグリーン・トラッキング・ハブにアクセスするだけで、画面上でタイムリーなグリーン性指標を確認し、日次や月次といった好みの形でデータをダウンロードすることができます。このほか、グリーンボンドの資金使途や、プロジェクトに関連する施設の位置情報も閲覧可能です。今後、グリーン・デジタル・トラック・ボンドの発行会社が増えれば、投資家は自身のグリーン投資の投資先を一覧で表示・管理でき、必要なデータを一つの場所で取得することが可能となります。 これらの取得したデータは、発行会社がグリーンレポートを作成する際にも役立ちます。発行会社は煩雑なデータ収集作業から解放され、グリーンボンド発行後の管理の負荷を大きく下げることができます。
JPX総研が開発するグリーン・トラッキング・ハブ
グリーン・トラッキング・ハブはJPX総研と、証券会社やSIerなど多くの外部の関係者と共に作り上げているプロジェクトです。 JPX総研の役割はグリーン・トラッキング・ハブをシステムとして開発するだけではなく、プロジェクト自体の推進・遂行を中心的な役割で担っています。 そのため、多くの関係者とビジョンを共有し、目標を設定し、それに向かって力を合わせて推進していくという、多様なスキルが求められます。もちろん、一人でできるプロジェクトではないため、JPX総研のそれぞれのメンバーが得意分野をリードし、足りない部分を補い合い、自ら勉強し、互いに教え合いながら進めていく必要があります。